9.11米国同時多発テロ事件から25年に思う
2001年の米国同時多発テロ事件から25年目を迎えた。ニューヨークの世界貿易センター(WTC)跡地では、遺族らが参加する追悼式典が行われ、テロ発生当時のブッシュ大統領ほか、クリントン、オバマ、バイデン各大統領が出席している。
トランプ大統領は、ワシントン近郊の国防総省での追悼式典に出席し、「私たちは決して、決して忘れない。だからこそ、私たちは今日も戦う」と述べたと報道されている。アルカーイダという国際テロ組織に、日本人24人を含む2977人が犠牲となり、米国はアフガニスタンに軍事攻撃するなど、この時からテロとの戦いを本格化させた事件であった。
事件から25年が経った今、世界の平和は守られているだろうか。ロシアのウクライナ侵攻や中東でのイスラエルとハマスの戦いは、世界経済を混乱させ、国連の常任理事国が国益優先のわがままが世界戦略を行使している中で、国連組織が機能せず、世界の安全保障は誰も責任を取らない無秩序な状況が続いている。
一方、世界の経済成長戦略は、ITCやAIによる情報産業とそれに付随する軍事産業ばかりに力らが注がれ、人間が普段の日常生活の中で感じる幸福感を、どうすれば保持できるかという、本質的な政治の目的である幸福の追求を全く忘れているように思う。
戦争は簡単に人と街を壊してしまう。普通に暮らしている庶民の幸せを一瞬にして奪ってしまう。特に最近はフィジカルAIで戦闘要員までロボットで代替するような話も出てきている。そこには世界平和の構築の道のりが全く見えてこない。
トランプ大統領は、追悼式の前の9月9日から10日までの2日間で、11月の中間選挙に向けて異例の党大会を開催した。そこでトランプ大統領は、有権者を侮辱するような政策を打ち出している。共和党が勝利したら、米国の成人全員に1人5千ドル(約77万円)を配ると約束した。大統領が選挙のために、票を金で買うという買収まがいのことを平気で言うことに、米国社会の先行きに大きく不安を感じたのは私だけではないと思う。
しかし米国は、世界の安全保障を世界の秩序を維持するのに、まだまだ強い影響力を持っている。政治経済だけでなく教育・文化の面でもやはりリーディングカンパニーである。その国が米国同時多発テロ事件から25年たって、むしろ国際社会を混乱させるようなことは、断じて受け入れることはできない。日本も間違ったことははっきりと間違っていると言うべきである。
今こそ日本は、平和憲法の意義を噛みしめ、平和国家としての行動責任を果たすためにも、徹底的な外交と対話を通して世界秩序と幸福を追求する国として踏ん張る時と思われる。
