2007.11.04
ブログ

小沢一郎辞任会見に思う


今日、江東区の深川第一中学の60周年記念に参加して、祝賀会終了後区立中学校PTAのメンバーの一部の人と二次会に行った席で、小沢代表の辞任のことを知りました。
まさかと思いましたが、最初に思ったことは、政局の混乱でした。衆参の与野党のねじれ現象で、政治が国民不在から、本格的な国民主権の政治に転換できる最高の機会と考えていたので、残念至極といわざるを得ないと思いました。
福田首相との2度の会見は、私も最初は、もう少し国民にわかりやすく説明してもらいたいと思いましたが、今日の朝7時からのフジテレビの報道番組での自民党、民主党の両国対委員長の話で、内容がよくわかりました。問題の本質は、安全保障から税制改革、社会保障に至るまで、日本の政治的転換期が今まさしく訪れたこの機会に、選挙のための政治ではなく、国民のための政治にダイナミックに改革しようという政策協議を、本格的に論じようということだと思いました。
したがって今回の党首会談は、政局がらみではなく、極めて大事な本質論争であることが窺い知れました。
しかし、テレビの論調は、あたかも小沢代表を悪者にした表現しか出来ず、黒岩キャスターも政治的無知にもかかわらず、いやらしい表現で政治をセンセーショナルに導こうとするやり方に憤懣やるかたない思いをしましたが、しかし、そんなマスコミの論調に翻弄されるはずもないと、確信していただけに、やはり辞任会見の表面のニュースは、残念な思いになりました。
しかし、民主党のホームページから「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」を読んで、すべてがわかったように思います。皆さんも是非読んでいただきたいんですが、そこで大事なことは、わが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換がなされたこと、
①国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連安保理もしくは国連総会の決議によって設立、あるいわ認められた国連の活動に参加することに限る。したがって、特定の国の軍事作戦については我が国は支援しない。
②新テロ特措法案は出来れば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力体制を確立することを最優先するので、連立が成立するならば、あえてこだわることはしない、
と福田総理がその2点を確約されたということです。
このことは、極めて重大な方向転換で、今日までの日本の憲法解釈や安全保障の原理原則を立ち上げる絶好の機会であったのだと思います。そして小沢代表が自民党にいる時から、また新政党、新進党、自由党、民主党と党が変わっても、一貫して主張してきたことですから、このときを待ち望んでいた小沢代表にとって、党から後押しがなかったことは、痛恨の極みであったことだろうと想像が出来ます。
私が衆議院の秘書時代、代表は2度だまされたとよく言っていました。最初が社会党で二度目が公明党でした。権力の魔性に両方とも主義主張を曲げてしまった現実を目の前にして、幾度も忸怩たる思いに駆られたと思います。
そして今回、参議院勝利したことによって、やっと政治の本質的な改革をやろうと思ったとき、身内からの後ろ指を差される思いは、さぞかし寂しかったのだろうと推察されます。
私も新進党時代から、もっと言えば公明党の都議の秘書時代から、選挙だけに普請する組織を、特に若手の政治家に多い自己中心的な動きを見てきましたが、あまりにも寂しい戦略でした。
ご自身が選ばれた党役員から理解されなかったのは、一番辛かったのだろうと思われます。
明日から、またマスコミの情報操作に批判の的にされそうですが、翻って国民の皆さんお願いしたいことは、真贋を見極める目を持って政治を見ていただきたいということです。
私は、今回の展開が決して無駄でないことを祈る思いです。