2021.07.11
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4度目の緊急事態宣言


7月8日、政府は東京都を対象に4度目の緊急事態宣言を発令した。その他のエリアでは、沖縄県への宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で「まん延防止等重点措置」は延長される。今回の緊急事態宣言の対応として、やはり依然として感染リスクが高い飲食店での酒類提供の対策強化を謳っている。重点措置地域での一定の条件下で午後7時まで認めていた種類の提供も、12日以降の宣言地域では休業を含め、酒類提供の一律停止を要請している。8日夜の首相の記者会見では、変異ウイルスの懸念を指摘し、「再度東京を起点に感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講じる必要がある」と強調していた。また、西村康稔経済財政・再生担当大臣は、種類を販売する事業者に休業要請に応じない飲食店と取引しないよう要請したいと語っていた。問題になった発言が、新型コロナウイルス対策に従わない飲食店に金融機関を通じて働きかけを促すような発言をしたことである。言語道断である。権力を傘に傲慢の極みの発言である。日頃の上から目線の政治姿勢が如実に表れたと言っていいと思う。こんな姿勢で1年半もコロナ対策をして来たから、結果として収束に至らなかったと言っていいのではないかと思う。首相の表現にも、毎回毎回先手先手で対処していかなければならないと言っている割に、状況は改善の兆しが全く見えず悪化の方向に動いている。実は感染拡大の対策をとっているのは、一番悪者にされている飲食店の方である。本来必要のない感染対策用の備品を購入して、設備投資に結構お金がかかっている。それを現場で頑張っている酒類を提供している飲食店をしっかり把握もしないで、一律に規制することは以ての外である。指導者が率直に正直に状況を語ってこそ、国民も状況を理解し受け入れることができるのであり、科学的なエビデンスもなくただただ情緒的に物事を誤魔化しても何の解決策にもならない。東京2020オリパラ大会を目前に控え、誰がこの危機を本当に責任をもって対処しているのか、全く見えてこないところに腹立たしさがある。経済は落ち込んでも回復はできるが、命は一度なくすと決して戻ることはないことを肝に銘じるべきである。